彦根の自慢!いなえ味噌

「安心して食べられるものが欲しい」飽食時代と言われる現在、そうは思っていても実際に満足できる食材だけを食べている人はどのくらいいるでしょうか。彦根市南部、稲枝産の材料のみで、こだわって作ったいなえ味噌は、知る人ぞ知る、お母ちゃんの「安全なものを食べさせたい」という優しい気持から生まれた、無添加で美味しいお味噌です。

無添加のいなえ味噌で育てる

いなえ味噌を作っているのは、「かわい加工所」の河合しき子さん。味噌の他、ジャムや塩麹など様々な加工品を手づくりし、滋賀県主催「近江の味・手づくりコンクール」では最優秀知事賞を受賞した実力派のお母ちゃんです。

いなえ味噌の基本となるのは、母の味。河合さんは、マヨネーズもお豆腐も、何でもおうちで手づくりする明治生まれのお母様の下で、手づくりのものを食べて育ち、手伝ううちに技術も身についたそうです。自身も3人の子育てをし、「何が入っているのか分からない加工品は不安だから」と手づくりを続けています。
いなえ味噌は県外からも注文を受け、食にこだわる大阪の幼稚園からの発注を受けたとき、こんなことがあったそうです。
園児「せんせい、今日のお魚おいしかった~」
その日の給食は鯖の味噌煮。配合や作り方は変わらず、味噌をいなえ味噌に変えただけ。子どもの味覚は、未熟で敏感だからこそ微妙な差に気づくこともあるそうです。

いなえ味噌の作り方

自家産の米と大豆で作るいなえ味噌。そのお米は加工用米ではなく、普段食べているお米と同等のお米で、大豆はオオツルという品種を使用しています。その安心の味はどのように作られているのでしょうか。

まず、麹作り。作業前日、下準備として米をよく洗います。作業当日、朝から蒸し器で米を蒸し、人肌に冷まします。麹菌をすり込み、2日間置いておきます。その間、手返しという作業を行います。11時と16時に、菌がよく浸透するように混ぜます。米のひと粒ひと粒が、ふわふわした菌に包まれたら麹の完成。この時点で、お湯に混ぜると甘酒になり、塩と混ぜると塩麹になるのです。
いよいよ、味噌づくり。よく洗った大豆を柔らかく炊きます。麹、塩と混ぜ、桶に仕込み、熟成室で保管。半年程じっくりと熟成期間を経て、夏を過ぎた頃に食べられるようになります。商品としては、ある程度熟成が進み、ほどよい薄茶色になったところで冷蔵室へ移動させ、熟成を止めます。さらに熟成が進むと色が黒くなってしまいますが、味はよりまろやかになって、それもまた美味しいです。

【いなえ味噌の作り方】

作業前日 米を洗って浸水させる
作業当日 蒸す
人肌に冷ます
麹菌をすりこむ
2日間置いておく(1日2回の手返し)
麹の完成

作業前日 大豆をよく洗い浸水させる
作業当日 やわらかくなるまで炊く
麹、塩と一緒に桶に仕込む
熟成させる
翌年夏以降  味噌の完成

河合さんのところでは、前年仕込んで熟成した味噌を、月に一度、商品として出荷する分だけ袋やカップに詰める作業を行っています。桶に仕込んでいた味噌を、すりつぶして滑らかにしたものを詰めます。

いなえ味噌を美味しくいただく

日本人の馴染みの味とはいえ、昔に比べて味噌が食卓に登場する出番が減ってしまっている現在。安心安全なお味噌をどう調理したらいいのか、河合さんおすすめの、いなえ味噌を美味しくいただく方法をご紹介します。実際におうちで作ってみました。(分量は適当です、ごめんなさい!)

<いなえ味噌ざっくりレシピ①>
『さばの味噌煮』

1,さばを下処理する。
2,いなえ味噌、砂糖、酒とともに炊く。
3,ねぎをたっぷり入れる。

河合さんポイント:さばの他、いわしなどの青魚でも美味しい。
作ってみた:ねぎをたっぷり入れることで、ねぎ味噌のようになって、それをさばに載せて食べるのが絶品です。出来立てでも冷めてからでも美味しくいただけます。写真では、家にあったみょうがを載せています。

<いなえ味噌ざっくりレシピ②>
『豚ととうがらしの味噌炒め』

1,豚肉を食べやすい大きさにカット。
2,今回は、とうがらしはそのまま炒めましたが、食べやすい大きさにカットしても。
3,豚肉にいなえ味噌と砂糖、ねぎを加えて炒める。

河合さんポイント:茄子やカボチャなど、そのときの季節の野菜を使っても美味しい。
作ってみた:茄子とピーマンと豚肉ではよくやっていたのですが、とうがらしは初めてです。ものによってすごく辛かったりしますが、いなえ味噌の甘さでほどよく中和されました。いなえ味噌のたっぷり絡んだ豚肉と一緒に食べるとたまりません。


 <番外編>
洋食SHIMADAさん
『牛フィレ肉のグリル いなえ味噌のソース』

いなえ味噌の調査中、とあるブログを発見。オシャレな洋食屋さんで、2016年6月限定のディナーコースにいなえ味噌のソースを使っているとのこと。和食のイメージが強いお味噌を洋食アレンジで味わってみたいと思い、洋食SHIMADAのシェフ、島田大輔さんにもお話を伺ってみました。
彦根産の野菜をメインに扱っている島田さん。いなえ味噌との出会いは近くの直売所でのことでした。稲枝出身の奥様、友紀菜さんの地元ということで購入し、いなえ味噌の美味しさに惹かれて当時のディナーに盛り込んだそうです。
いなえ味噌のソースは、フォンドボーとデミグラスの赤ワインソースがベース。デミグラスの香りの中に、いなえ味噌の甘みと日本人の舌に合う深みが足された美味しいソースです。もちろんお肉も、お箸で切れるほど柔らかく、ソースとの相性ばっちりです。現在のコースには含まれていませんが、今回の取材をきっかけに、当時のメニューをアラカルトで復活してもらえることになりました!この機会にぜひ、お立ち寄りください。

島田シェフからの一言。
「日本人の食べなれた味噌の味があると、赤ワインだけのソースより馴染みがあって美味しく感じられます。年配の方から若者まで好きな味になっていると思います。


写真はホームページより引用

洋食SHIMADA

彦根市後三条町288 Nasu23B
TEL:0749-33-0637
定休日:月曜
駐車場23台

知る人ぞ知るいなえ味噌を、もっとみんなに

無添加にこだわり、安全なもので育てたいというお母ちゃんの想いから生まれたいなえ味噌。稲枝産の大豆と米だけで作られた、これぞほんもののお味噌と言えます。和食はもちろん、洋食でも美味しくいただけるのは、余計なものが含まれておらず他の食材の邪魔をしない、本当に美味しいお味噌だからこそだと思います。
個人醸造のためスーパー等では流通しておらず、滋賀の人でも知る人はまだ多くありません。だからこそ、声を大にしてお伝えしたいです。安心で安全なお味噌で、何よりほんまに美味しいから一度食べてみてほしい。彦根の自慢、滋賀の自慢と紹介したくなること、間違いなしです。

いなえ味噌のお買い求めは…
・四番町スクエア 彩菜館
   彦根市本町1丁目7-34
・JA東びわこファーマーズマーケット 美浜館
   彦根市石寺町1753
・JA東びわこファーマーズマーケット やさいの里
   彦根市賀田山町234-6
・JA東びわこファーマーズマーケット やさいの里二番館
   彦根市平田町790
・JA東びわこファーマーズマーケット やさいの里あいしょう館
  愛知郡愛荘町市1585
・あすぱらだいす しんがい
   彦根市新海浜2191

(市民ライター:阪口夏帆)

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