彦根に来たら、ここに集え!地元の人に愛されるディープな3軒

旅先でいい食事処を探すのはなかなか難しい。いわゆる“観光客向け”の高価な店ではなく手頃な値段で、でもしっかり地元の味を楽しみたい。できることなら地元の人たちで賑わっているようなおいしい店。そんな店ありませんか〜?と彦根の人に尋ねたところ、お勧めいただいたのがこちらの3軒。3軒とも味が確かなのはもちろん、居心地のよさ抜群のお店でした。

しっかり食べて軽く一杯、かつ彦根らしいものが食べたい方には「すし浜」

夜になると居酒屋が賑やかになるのは常だが「お酒は軽く、でもしっかり食べたい」という方にお勧めなのが「すし浜」。その名前から寿司屋とよく間違われるが、じつは近江牛などの肉料理や定食、ちゃんぽんなど食べものの献立が豊富な定食屋である。

アットホームで居心地がいい店内。女性一人でふらりと入るのにもちょうどいい

約70年前、戦後すぐの創業で、初めは寿司屋だったのだそう。といっても海のない土地のこと。生ずしではなく巻きずしや箱ずしが主で、今もこれは変わっていない。琵琶湖と言えば欠かせない小鮎の天ぷらも。
「最近のお寿司とはイメージが違いますからね。よく寿司のないすし浜って笑われるんですよ〜」と笑って話すのは、笑顔の素敵な女将の辻本佐百合さん。

カウンターに座れば、女将さんと話もできる。スタッフにも女性が多く、女性一人でも入りやすい。

さば寿司。地元のお酒も充実している。

お昼は地元の人たちで賑わうが、夜は駅周辺のホテルから近いこともあり出張で訪れるサラリーマンや観光客にも常連が多い。
「地元の方たちに人気なのは日替わり定食かな。普通に唐揚げとかね。外からのお客さんにはこのひことろ丼がよく出ますね」

看板メニューの「ひことろ丼」は近江牛の牛スジと赤こんにゃくを使った牛丼で、牛の甘みとこんやくの酸味のバランスが絶妙。

ひことろ丼。平成23年に彦根市制75周年を記念して開発された「ひこね丼」シリーズの一つで、他のお店でも食べられるがそれぞれ店によって味が違う。

食べもののメニューが豊富。こちらのメニューは17時以降のみ。(※日によって多少変わります)

食事してちょっと一杯って時には最適のお店。ごはんもおいしいし、お望みとあれば宴会もできる。居るだけで、地元の人にも外の人にも愛されていることが伝わってくる一軒だ。


すし浜

滋賀県彦根市佐和町11-18
TEL: 0749-22-1136
営業: 11:00〜15:00 / 17:00〜21:30(日曜のみ早めに終了)[休]土(日曜は臨時休業有り)


66年続く肉屋が始めたかつ亭の、絶品「近江牛かつ定食」

ランチにお勧めしたいのは、こちらのとんかつ屋「かつ亭・いろは」。お隣にある66年続く精肉屋が15年前に始めた店で、肉の目利きと味は確かだ。お昼になると行列ができることも。
「最近は本家の肉屋よりとんかつ屋が人気でねぇ」と肉屋の2代目植田修二さんは笑う。奥さんの西湖さんと、娘の(疋田)彩子さんの二人がとんかつ屋を切り盛りしている。

旧「おいでやす商店街」にある店構え。左がかつ亭で、右が肉屋「いろは精肉店」。

看板メニューは「近江牛かつ定食」(1,550円)。母娘二人で試行錯誤して完成させたレシピは揚げものでも薄付きの衣がさくさくで、女性にも食べやすい。牛かつはちらりと赤みの見えるレアの近江牛が柔らかくてジューシー。お肉のおいしさを存分に味わえるように仕上げられている。

「まずはとんかつソースでなく塩で食べてみてください」と勧められて試した梅塩が絶品だった。「塩ダレなどいろいろ試した結果、これに行き着いたんです」。牛かつにはこの塩ととんかつソースの両方が付くので、自由に好みで食べられる。

「初めはカウンターだけだったんですけど、だんだんお客さん増えて。奥に座敷もつくったんです」と、奥さんの西湖さん

どうして近江牛ってこんなにおいしいのか。思わず口にすると「やっぱり気候やろうねぇ」と修二さんが肉屋から顔を出して応じてくれた。
「近江は牛を飼うのに適しているんです。あとは餌やりで決まる。でもまぁ全部がいい肉になるわけじゃないから、そこは厳選するプロの目利きのおかげやね」

仕入れ調達と両店を経営する2代目の植田修二さん。

肉屋のショーケースには、そうして仕入れた上質の近江牛が並ぶ。

「東京で近江牛食べよう思うたら高いでしょう。この値段で食べられるなんてって驚かれますよ」
地元の人たちの間では、とんかつ定食も人気。店内のメニューはすべてお弁当にしてテイクアウトもできる(要・20分ほど)。お昼のみの営業なので、ランチタイムを逃さぬようご注意を。


かつ亭・いろは

滋賀県彦根市京町3丁目4-7
TEL: 0749-22-0947
営業: 11:30~14:00 [休]日


クセになるおいしさは、彦根ならではの名物焼肉店「名城園」

「これから名城園に行くんです」と言うと、「またツウな店を!」と地元の人たちに感心されること間違いなしの一軒がこちら。昭和50年の創業以来、長く彦根の人たちに愛されてきた焼肉店「名城園」だ。
「うちはな、店は狭いけど品物には自信あるで。間違いなくいいお肉使うとるから」と、女将の青山明子さん。店にメニューはなく、基本女将さんにすべてお任せ。それでも値段は学生が通えるほどの手頃さで、安心して食べられる。「ほなあんたら、まずタンからいきや」と勧められた牛タンを見て驚いた。大きい。

牛、レバー、タン塩、ハツ、鶏、カルビ、ホルモンの7種類が順番にふるまわれる。

「うちでは一切冷凍もん使うてないからな。普通タン言うたら、ぺらぺらの薄いやつしか見たことないやろ」
大きくても、さっくり噛み切れる柔らかさで食べ応えがある。タンは山椒、カルビは専用のたれとお店推奨のこだわりの食べ方を教えてくれる。すぐに店内は肉のじゅうじゅう焼ける香ばしい匂いでいっぱいになった。

店の奥には座敷、手前にテーブル席とカウンターがあり16人入ればいっぱいになるため、人数が多い時には早めの予約がお勧め。

地元の人だけでなく彦根を訪れるテレビや映画の撮影部隊もよく訪れるのだそう。
「来てくれた人がみんなクチコミでお勧めしてくれてな。ほんとにありがたい話やで」。

「うちに来たらお医者さんも何も関係あらへん。地元の病院の名誉医院長みたいな人も来るけどな、私は言うんや。先生は病院じゃ偉いかもしれんけどここへ来たらいばったらいかんって(笑)」
この明子さんの小気味いい話ぶりこそ店の人気の理由の一つかもしれない。一年ほど前から手伝い始めた孫の青山東明(とうめい)さんが、ゆくゆくは店を継ぐ予定だという。
「店が狭いので、お客さんとの距離が近いんです(笑)。それは良さでもあるから、これからも残していきたい」(東明さん)

女将さんに厳しいことを言われながらも楽しく話し、おいしい近江牛に舌鼓をうつ。一度ここの焼き肉の匂いと煙に浸れば、誰しもクセになるに違いない。


名城園

滋賀県彦根市中央町4-3
TEL:0749-23-7606
営業: 17:00~21:00 [休]なし(正月のみ)

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